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室内環境の安定化に最適?壁面緑化の歴史や扱い方を学ぼう!


当初は装飾やカモフラージュが目的だった壁面緑化

建物の壁に植物を這わせる壁面緑化は成長が早く、多くの葉を茂らせる蔓植物が群生する欧州で始まったとされています。当初は建物の外観に彩りを添える装飾であると共に、城や砦の在処を隠すカモフラージュとして用いられていました。やがて、植物の葉や蔓が日光を遮ることによって室温が上昇しにくくなり、酷暑の時期でも快適な状態を維持できることが判明したことから、環境に優しい断熱材として用いられるようになったのです。現在では欧州に限らず、世界中で断熱目的の壁面緑化が行われています。

壁面緑化に適した品種の選び方と管理方法

壁面緑化はその目的から、短期間で大きく成長する品種を使います。日本ではブドウ科のナツヅタやウコギ科のヘデラが多用されていますが、いずれの品種も成長が早いうえに葉や蔓を多く茂らせる特徴があります。初春に苗を植えれば気温が上昇する6月末頃までに、一般的な二階建て住宅なら屋根まですっぽり覆うほど伸びることも珍しくありません。壁面緑化に最適な品種ですが、病気や害虫の被害に遭いやすいのである程度成長するまでは防虫ネットで苗を覆い、清潔な状態を保つ必要があります。

壁面緑化のタイプについて

一般的な壁面緑化は地面に植えた植物が建物の壁を伝い、徐々に上へ伸びるイメージです。壁に直接這わせるか支柱を用意する違いはありますが、もっとも広く普及している方法です。高層ビルなど背が高い建物の場合は上層階のプランターから植物を垂らす「下垂型」の壁面緑化が行われます。建物の高さを問わないのが利点ですが、垂れ下がった植物を固定できないうえに自らの重みで折れてしまうおそれもあるので徹底した管理が求められます。

壁面緑化とは、植物などの緑を壁面に這わして美しい潤いのある生活空間を作ることです。壁面を緑で覆うことで、二酸化炭素削減やヒートアイランド対策にもなります。